我の目に見える世界が
我の心だから
きっと元親とは見えてる物が違う
真っ赤な空が血みたいだと思った
夕焼けが綺麗だな、と元親が笑った
暗雲な空が元親見たいだと思った
曇りの日もたまにはいいもんだな、と元親が笑った
星一つない闇が我みたいだと思った
星は雲で隠れてるだけで目を凝らせば一つは見えるんだぜ、と元親は言った
晴天の空は…?
青空は…
満天の星空は…?
満天の星空は…
まるで何も知らなかった頃の我自身の様だ
まるで今の俺達みたいだ、と元親は満面の笑顔
雨は救いのない事を我に教えてくれる
雨は人と人の心を繋ぎ止めてる見たいだ、と元親は呟いた
そんなも…
そんなもの、ない事を知っておるか?
例え、あったとしても果てしなく脆い
絆の先には裏切りが待っている。
幸せの先には不幸が
喜びには悲しみ
快感には苦痛
元親が愛しいと思うだけ、この胸の痛みも増すばかり。
どちらから始まったとしても
どれだけ繰り返ししたとして
必ず終わりは人の良しとしない方で終わるもの
その中間なんていう生易しくも醜いものはないのだ。
元親と我の様に明暗が分かれているのだ。
ならば簡単だ。同じにしてしまえばよい。
我と元親のいる世界、見る世界、感じる世界、愛しくも憎い世界、醜くも美しい世界。
これから貴様に教えてやる。
こんな暗闇、独りじゃ耐えらんないのだ。
貴様なら付き合ってくれるのであろう?
「元就といられるだけで俺は幸せだ」
我を包み込む温もりとも此で然様ならだ。
「…我も、元親がおればよい」
我の世界に引き摺り込んでやろう。
共に落ちようではないか
我を愛しておるのであろう?
なれば、何も恐れることはない。
我の処へ来るがいい…
『愛してる』
どちらからともなく、我と元親は唇を重ねた。
元親、我は本当に貴様を愛しておるのだ。