なんだか、自分が何処にいるのかすら分からなくなる。


アッシュと俺の境界線は何処だ?



俺に分からない事をアッシュが知ってて
だけど、アッシュが知らない事を俺が知ってた不思議。


不思議じゃない、って普通は思うかもしれないけど、
俺は不思議。

だってアッシュはいった。

『お前は俺だろう』

口に出したり出さなかったり。
顔に出してたり出してなかったり、
とにかく常にビシビシとオーラを発してた。

なのに知ってる事、やってる事、思ってる事。
全部違うこの不思議。

だって違う存在だから、

俺は思う。

アッシュも其れをきちんと理解したうえで『お前は俺だろう』と最近口にしてた。

その不思議。

でも俺もその意味がついこの間分かってきたこの不思議。

やっぱり同じだからかな。

違うから、一緒にいて、離れてても近くにいた。

二つで一つが人間のポリシーだからね。

まぁ、アッシュが分かってるって言うのはあくまで憶測なんだけど…

憶測だけど、多分あってると確信できる不思議。

俺はアッシュの鏡、嫌いなとこ、見たくないもの、もう一人のアッシュ。
アッシュは俺の鏡、好きなとこ、なりたかった、もう一人の俺。

だからアッシュは俺が嫌い。
だから俺はアッシュが好き。

独りじゃ埋まらないどうしようもない穴を人間は生まれながら持って生まれる。

アッシュはそれを埋める物として俺を見つけた。
俺はそれを生める者としてアッシュを見つけた。

だから、嫌いでもそばにいて、
だから、好きで一緒にいた。

でもそうやって、お互いに自分を見てたらどっちがどっちとかよく分からなくなった不思議

一緒にいれば、嫌でも似てくる言動。

似てきてしまったら正反対だから一緒にいた俺たちの行き先はどこだろう?なんて不思議

それでもアッシュが俺を嫌いな気持ちも
俺がアッシュを好きな気持ちも変わらない

好かれたいと思ってないけど、一緒にいたいから同じにはなりたくない。

アッシュは俺が嫌いだからきっともう一緒にはいたくないって思うだろう。
俺はアッシュが好きだからそれでも傍にいたいって思う。







だから、これが二人の幸せの形。







ってことでいいんじゃないかなぁ?なんて思えた不思議。







そんな記憶までアッシュに入り混じって眼を覚ましたアッシュきっとは吐き気がするんだろう。

でもそれがアッシュの嫌いな俺で、
そんなアッシュが俺は好き