アッシュがいなきゃ
息もできなくなってしまえば良いのに…








アッシュの一部になりたいんです。 アッシュと一つになりたいんです。 アッシュがいなきゃ生きていけない、そんな身体が欲しいんです。 この躯が恨めしいアッシュと一つになれないこの躯が憎らしい…。 それでも、この身体はアッシュが与えてくれた物だから。 望んだことではなくても、アッシュは俺の一部である事に変わりはないんです。 だからこそ、食事は義務です。アッシュの傍にいる為に仕方がないんです。 アッシュの一部である俺がアッシュの意思に反して壊れてしまってはいけないんです。 アッシュはいつも傍にいて、いつも遠い所から冷めた目で見ています。 仕方がないんです。 忙しい人だから…。 俺の事なんか構っていられないんです。 言い訳です。アッシュは俺がいなくても生きていけるから遠くにいます。 追う事は許されていないので出来ません。 仕方がないんです。 忙しい人だから…。 嘘です。本当はアッシュは俺がいなくても生きていけます。 アッシュの中の俺はほんの些細な物なんです。 俺はアッシュの 偽者 レプリカ だから、アッシュは俺の傍が一番嫌いなんです。 それでもアッシュは俺の一部です。 俺はアッシュの 偽者 レプリカ だから、こそアッシュは俺の一部、俺はアッシュの一一部になりえるのだと。 勝手に考えてます。 でも、それも思い上がりではないようです。 俺がアッシュの一部になる日が来ると言うのです。 こんなに嬉しい事はあるでしょうか?いいえありません。 それを証明するように、 今ではアッシュがいないと呼吸もおろそかです。 望んでいた身体の半分を手に入れました。 本当に望んだのは女の身体です。 アッシュの赤子が産みたかったんです。 アッシュの分身を産み落としたかったんです。 そして俺はアッシュの母になってアッシュを育てるんです。 そして、その子と再び交わってアッシュを身篭るんです。 俺が死ぬまで続けるんです。 とても幸福な生になりえたでしょう。 何よりも、そうすればアッシュにとって俺は少しでも必要とされる存在になれたからです。 アッシュは「気味が悪い」と謂いました。俺の腹を蹴り上げてくれました、アッシュが俺に、俺自身に初めて掛けてくれた言葉です。愛しい言葉です。 俺は死ぬ間際にそんなこと考えてます。 不謹慎です。 いいえ、健全です。 今の俺には其だけなのだから充分なんです。 俺が死んでアッシュが戻った時にアッシュが何か感じてくれていたら…、なんて思ってはいけません。 アッシュの中で俺はいつも、いつまでもアッシュだけの 偽者 レプリカ でしかないのですから。 それだけなのですから、今は腕の中で青白い顔をして寝ているアッシュが俺の全てなのですから。 アッシュ、最後にこんな風に触らせてくれて、殴りもせず、ただそのままでいてくれて、まるで夢が叶ったようです。 ありがとう。お礼です。アッシュに「死」をプレゼントします。 俺にアッシュを殺す力なんてありません。在ったとしても、到底及べません。 代わりの「死」を用意しました。 これでアッシュも俺も満足です。 成りたいモノに成れました。 貴方もお腹が満たされて満足そうです。

さぁ綺麗な華を二人で裂かせましょう。
今度は二人一緒に











失くした螺子が見つかりません。