俺が回線を繋げたとき、レプリカは唐突に突拍子もない質問をし始めた。









『例えば
アッシュは俺が死んだらどうする?』











『例えば アッシュは野良猫が死んだらどう思う?
何も見なかったかの様に素通りして行くだろ?
何か思うとしても「汚いな」くらいだろ?

じゃあ俺が死んだら?
「汚いな」くらいは思ってもらえるのか?』







「そうだな、例えば、お前にそれだけ俺にとって価値のある存在だったら、きっと何かしら思うだろうな。」

律儀に、応える自分も馬鹿らしいが、アルビオールでの移動中で暇だったので付き合ってやる。
するとレプリカは続けて問う。







『例えば
どんな死に方をしたら、どんな事を思ってくれる?』









「例えば、お前に存在価値を見出していたら、どんな死に方をしても何かしら思うだろうよ」









『俺に存在価値を見出すのはいつ?』





「さぁな、例えようがない。」

くだらない質問に適当に返答すると何かを考えているのかレプリカの言葉が止まる。



もう終わりか、と思ったら再び問い始めた。










『例えば
どんな時…?』












「そうだな、死んだ時…だな。そうしたら、俺の中でお前がどれ程の率を占めていたか解るだろ?」









『…例えば
アッシュは俺が死んだらどうする?』





ありえないな、と思いながらも俺は応えた。



「死んで見なくちゃ解らない」



━━━━━━━━━プツッ





















回線が一方的に切られた。





俺は切っていない。


アイツはいつから回線を切ることを覚えたんだと不思議に思いながらギンジの「到着しやした」の一言に返事をしてアルビオールを降りた。


























背 中 ヲ 押 シ テ ク レ テ  ア  リ  ガ  ト  ウ





















風に乗って何かが聴こえた気がしたが、俺は其れも無視して歩を進めた。